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「えぇー、まさかぁ。奈津が胸を触られて無反応なんてあるわけが」
「嫌な奴に触られて感じるほど変態じゃないわっ」
「…本当に、感じてない?」
「本当だってば!しつこい!」
…実を言うとちょっとだけ反応しちゃったけど…。
いやでもそれはお兄ちゃんが胸にこんな変な細工したせいだから!
これさえなければ100%感じなかったもんね!
きっぱりと断言すると、叱られた子供のように沈んでいたお兄ちゃんの表情がみるみるうちに元のにやけ顔に戻っていった。
「へぇー…」
イヤミったらしい笑いを含んだ声。
どうやら完璧に本調子に立ち直ったらしい。
「じゃあ俺に触られてるときも気持ち悪いだけなの?」
「……っ」
さっそく降りかかってきた意地悪な問い掛け。
さっきまでのヘタレお兄ちゃんはどこへ行ったのやら…。
…ああ、やっぱりあのままへこませておくべきだったのかも。
つくづくイヤミな奴。
わざわざそんなこと聞かなくたって、わかりきってるくせに…。
「こういうことされても気持ちよくない?」
「っんぁ…!!」
赤くなっている胸の先を指の腹でそっと撫でられると途端に快感が沸き起こった。
優しく摘まれ、クリクリと小刻みにひねられて、くすぶっていた欲情に再び熱い火が灯る。
「っあ…! …は…っあ、あ!」
「その声は演技?」
「…や…っ」
「奈津は俺のことも嫌いなんだろ?」
笑い声が耳をくすぐる。
耳元で囁かれるだけで私の体は恥ずかしいくらい大げさに揺れ動いてしまう。
羞恥心を振り切るように顔を背けるとお兄ちゃんの唇はすぐに追い掛けてきて、逃がさないとでも言いたげに軟骨の部分を甘噛みしてきた。
「ひぁ…っあ…!」
ゆるりと生暖かい舌が耳の輪郭を辿って下りていく。
そして耳たぶまでたどり着くとまた優しく歯を立てられた。
くすぐったさと気持ちよさが入り混じったゾクゾクとした感覚が背筋を走り続ける。
「奈津が嫌なだけなら、もうこういうことは終わりにしようか」
ここまで好き勝手弄んでおいて、お兄ちゃんはそう言いながら私の体を撫でていた指先をスッと離していく。
「…っい、じわる…!」
「どうして?」
「……っ」
お兄ちゃんのそういう人を試すところが大嫌いだ。
…でも…散々焦らされ続けて体が熱すぎておかしくなりそうな今は感情を押し殺していられる余裕なんてない。
「…っお兄ちゃんに…触られるのは好き、だから…っ」
──そう、好き。
昔から意地悪だったお兄ちゃん。
でも心底嫌いになったことなんてない。
…意地悪されるのも、本当はお兄ちゃんに構ってもらえて凄く嬉しいと思ってた。
最近の意地悪は行き過ぎだけど。
でも、それでも心の奥では喜んでるのかもしれない。
…こんな体になったのはお兄ちゃんのせいだよ。
だからもっとめちゃくちゃにしてよ。
満足するまで玩具にしてよ。
…私が満足するまで遊んでよ。
玩具にさせてよ。
「本当に、悪い子だな奈津は」
私の黒い心の内を読み取ったかのようにお兄ちゃんはクスリと意味深げに微笑んだ。
そして起き上がったかと思うと机の引き出しを勝手に開けて何かを取り出した。
「…え…。えっ?! なんでゴムがそこに入ってんの?!」
「こうなるのを想定して。いちいち俺の部屋に取りに行くの面倒くさいから」
「変な物私の部屋に置かないでよっ!!まさか他にも何か…っ」
「こら。黙って寝てなさい」
飛び起きようとしたところをタイミングよく肩を掴まれてベッドに押し戻される。
抵抗しようとしたけれど、「暴れたら挿れてあげない」の一言で私は何も出来なくなってしまった。
「奈津は性欲だけには素直だなぁ」
「んゃ…っ!」
なんの抵抗もなくお兄ちゃんの細い指が私の中に侵入してくる。
それだけソコはドロドロに濡れてしまっているらしい。
滑るように動く指はあっという間に理性を連れ去っていく。
悔しいけれど、お兄ちゃんの言ったことは正しい。
欲が絡むと何も考えられなくなる…。
私はもう、これから訪れる甘美な快楽のことしか頭になかった。
「…じゃ、挿れるよ?」
「ん…」
早く、早く…。
全神経がアソコに集中してるみたい。
入り口を押し広げていく軽い圧迫感を感じただけで体はブルブルと打ち振るえて心臓が熱く高鳴った。
「…っは…ぁ、あ、…っあ!!」
中を強引に割って沈み込んできたお兄ちゃんのモノはゆったりと奥深くまで達した。
腰が砕けそうになるくらい痺れて、その痺れが全身にまで伝っていく。
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