繋いで 01 02 03 04

 

 校舎裏の錆びれた非常口階段。

その階段の踊り場に大の字に寝そべり、初夏の清々しい風を受けながら目を閉じ、グラウンドから聞こえてくる生徒たちの声をまどろんだ意識の中で聞き流している一人の女子生徒、真由美。


それを教師の青井は呆れ顔で見上げていた。


「…おーい、そこの問題児ーっ」


青井の声で真由美はぼんやりと薄目を開けた。

が、またすぐに目を閉じ意識をうとうとと夢の中へ溶かしていく。


「こら。寝るなアホ」


カンカンと鉄骨の音を響かせ青井は真由美の元へ駆け寄る。


「一時間目から…しかも俺の授業をサボるとはいい度胸だな?」


「…んやー…無理。眠い。朝っぱらから勉強なんて無理」


「だからってこんな所で寝るか普通。

…はあ、こんな太もも丸出しにして…。通りすがりの男子生徒に見つかったら確実にヤられるな」


「いやその考えおかしいから。脳内真っピンクだよこの変態教師」

「ありえない話ではない。思春期の男子は侮れないからな」


「ああそう。それで先生は私が誰かにヤられちゃうんじゃないか心配で探しに来てくれたって訳ね」


冗談っぽく笑い、頭についた土埃を掃いながらのそりと上半身だけ起き上がった真由美に、すかさず青井は真由美の脚をまたいで膝をつき乱暴に真由美の両手を掴み後ろの手すりに押さえつけた。


突然の出来事に真由美は自分を鋭い目で見据える青井をただただ呆然と見つめ返すことしかできない。


「お前、俺の性格知っててワザと振り回してるだろ」


「…あ、バレた?」


前触れ無く無断で姿を消すと、心配性で束縛心の強い青井は必死になって真由美を追いかけ、探し出す。

それに優越感を感じ、幾度とこのようなことを繰り返してきた。


さすがに調子に乗りすぎたかな…と、真由美は苦笑いしながら青井を見上げる。

「勝手に、フラフラどこにでも行くな。…不安になるから」


ポスリと真由美の肩に頭を預ける青井。

滅多に見せない青井の弱々しい姿に真由美の胸の鼓動が速まる。


「…ごめん…ごめんね?」


子供をあやすかのように優しく囁くと、不意に首筋に軽い痛みが走った。


青井が甘噛みしているのだとすぐに理解し、真由美はそのまま抵抗もせず緩い愛撫に身を委ねる。


「……っ!」


噛まれた部分を今度は生暖かい舌が焦らすようにゆっくりと這って行く。

首筋から開いた胸元…そして鎖骨。

くすぐったい刺激から少しでも逃れようと真由美は無意識に身じろぐ。

 

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