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「こういう物を使うのはあまり好きではないんですけどね…。時間短縮の為やむを得ません」


ため息と共に男はローターとその側に置いてあった医療用のテープを手に取る。


「やっ…やめて…! お願い…っ!」

「恨むのならせっかちな顧客を恨んで下さいね」


声を震わせて哀願する私にニッコリと笑いかける男。

その笑顔は、「あまり好きじゃない」だの言ってたくせに明らかにこの状況を楽しんでいるようだった。


「…いやぁっ!!」


当然私の願いは受け入れてもらえず、極限まで過敏になったクリに冷たく固いローターが押し当てられた。

その上から手早く何枚ものテープが貼られ、最悪のポジションにしっかりと固定される。


「やめ…て…っ」


私は最後の望みをかけて男を見上げた。


「お願…」

「最初から最高でいきますので」

「へっ…、あっ! いやっ! いや…っ、ッあああああぁああーーー!!」


雷に打たれたような衝撃が爪先から脳天までを貫く。

男を見上げていた私は更に喉を仰け反らせて天井を仰ぎ、自分の鼓膜までやぶれてしまいそうな悲鳴を上げた。


「やあああっ!! あっあっあぁああッ!!」


無常にも入れられたスイッチに忠実に従い、ローターは獰猛な唸りを響かせ押し潰したクリを揺さぶり立てる。

自愛の欠片もない振動が始まって数秒も経たない内に、激しい快感がせり上がって私は二度目の絶頂へと打ち上げられた。


あまりにも強烈な法悦に脳内がチカチカと点滅する。

…けれど地獄は始まったばかり。

ローターは容赦なく感極まったクリを震わせ、体中の性感帯を燃え盛らせる。


「いやあぁあーーっ!! あああっ! あはッあっあぅああぁ!!」


イク寸前の最高潮の痺れが延々と続いているかのような凶悪すぎる刺激に私は拘束具に抗える限り体を仰け反らせて悶え泣いた。


短時間の内に何度も何度も強制的にイかされ、全身がジンジンと痺れだす。

涙は枯れ果て、叫ぶ気力もだんだんとなくなってきた。


けれどローターは威力を微塵も衰えさせず、充血したクリを弄り尽くす。


「まだ壊れないで下さいね」

「ひあっ! あっ、あああぁっ…!」


頭が真っ白になって意識を手放しかけたそのとき、スルリと耳に届く男の落ち着いた声が私の脳内をクリアに引き戻した。

男は脂汗の滲んだ胸に指先を滑らせながら私を真っ直ぐに見据えて微笑む。


「初対面の男に今自分がどれだけ醜猥な姿を曝け出しているか、わかりますか?」

「やっ、や…っあぁ! ふあッああぁあ!!」


男の言葉に忘れ去っていた羞恥心を呼び覚まされ、消える寸前の意識が奮い立つ。


…いっそのこと、何もかもわからなくなるくらい快楽に堕ちてしまった方が楽だった。

なのに男は私に無理やり理性を掴ませ、その逃避する手段さえも奪った。


「ああああっ! ぃやあぁあああっ!」


狂うこともできず、極限の快楽に捕らわれたまま、何時間もの時が流れていった。

…いや、もしかしたら数十分も経ってないのかもしれない。

もう時間の感覚なんてわからない。

とにかく私には、絶望を覚えるほど長い永い時が経っているように感じていた。


乱れた呼吸を落ち着かせることができず、胸がどんどん苦しくなっていく。

頭もボーッとして、手足の先が冷たく痺れる。


…私、このまま死ぬのかな…。




「はい。お疲れ様でした」


──ヴヴヴ…ヴ…


「あぁぁっ! …アッ、は…ぁ…っ?」


頭の片隅で死の存在をチラつかせたそのとき、部屋中を震わせていたローターのけたたましい振動音が止んだかと思うと、体中を駆け巡っていた快楽の電流が嘘みたいにピタリと治まった。


「は…っ、ぁ…あっ…」


唐突すぎる終わりに思考も体も追いつかず、私は頭が空っぽの状態のまま振動の余韻に震えながら視線を男に送る。

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