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「シワになっちゃうから、服脱ごうか」

「ん…うん」


樹さんに促されるまま服を脱ぎ捨てる。

自分だけ裸になっていくのが恥ずかしくて私はブラを外す前に彼のワイシャツに手をかけた。


ボタンを一つ一つ外していくと、40手前には見えない引き締まった体が姿を見せた。


「肌も綺麗ですね」


思わず呟いて私は樹さんの胸元をペロリと舐め上げた。

男物の香水が淡く鼻腔をくすぐって頭の中をトロンと溶かしていく。


私はそのまま舌を肩まで這わせて、さっきのお返しと言うように首筋に口付け、軽く噛み付いた。


時折聞こえてくるかすかな吐息が嬉しくて夢中で彼の感じるポイントを探っていると、温かい手のひらが優しく私の頭を撫でた。


「…ん…っ」


髪に差し入った指先が耳の輪郭をたどっていく。

せめぎ合う気持ちよさとくすぐったさに体がゾワゾワと疼いて、私は熱っぽい吐息を漏らしながら肩を小刻みに震わせた。


「可愛いね。結花に会えて良かった」

「…っ!」


耳元で囁かれた言葉が心臓をドクンッと跳ね上がらせる。

不意に呼び捨てで呼ばれたことにときめきを抱いている間もなくブラのホックを手早く外され、胸の鼓動が一層激しく高鳴った。


「あっ! あ…っんん…!」


さらけ出された乳房の頂点を樹さんの唇に捕らえられ、途端に走った疼きにひときわ大きな声がこぼれる。


固くなっていくそこをきゅっと吸われて舌先で舐め転がされて、みるみるうちに理性が揺らいでいく。


「…っん…」


震える肩をそっと押されて、私はベッドに横になった。

火照った頬をあの綺麗な爪の先で撫で上げられ、ゾクゾクッと細やかな快感が湧き立つ。

その代わりに、中途半端に刺激を与えられた胸が切なげに疼いて私の中の欲望を煽る。


私は荒くなる呼吸を抑えながら、涙で滲む瞳で樹さんを見上げた。



「その顔、“もっと”って誘ってるの?」

「…っ! そっそんな顔してないっ」

「そう? でも凄いそそられるよ」

「ん、…っん…!」


背けた頬を掴まれ、再び深く唇を落とされる。

最初のキスよりも激しく口の中を舌で掻き乱され、胸の奥を揺さぶるような甘い衝動が瞬く間に込み上がってくる。


獣のように本能的な口付けに頭の中が真っ白に溶けて、私はさっきの羞恥心も忘れて、自ら顔の角度を変えて彼の唇をより深く求めた。


「ん、ふっ…! んんんっ!」


過敏になった胸の先端をギュッとつねられ、突き抜けるような快感が胸から下半身へと響きわたった。


ギリギリ痛みには届かないその強引な刺激に、淫らな情欲が一気に沸騰し始める。


「ふぁっ…! っは…ぅんんっ!」


ようやく唇から解放され、足りない酸素を補おうと深く息を吸い込むと同時に彼の指が口の中にねじ込んできて、私は突然のことにビクンッと体を強ばらせた。


「あっあ…! んっんんぅ…っ!」


グチャグチャと人差し指と中指で口内を犯しながら樹さんは私の耳に舌を這わせていく。


どんな刺激でもいちいち反応してしまう私を弄ぶように、耳の隅々までジックリとたどって緩く歯を立てる。


甘い痺れが耳から絶え間なく流れ込んできて、全身がトロトロに溶かされてしまうような感覚に私は彼の指を舐めながら甘ったるい吐息をこぼす。


「さっきよりももっとイイ表情になったね」

「…っ…ふ…」


唾液まみれの私の唇を親指で撫でながら樹さんは挑発的に微笑む。

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