家庭教師 01 02

 

椅子に座り、机の上に置かれた一枚のプリントを複雑な面持ちで見詰める美雪。
なにかに怯えているかのようなその様子を楽しそうに眺めながら、家庭教師の北川は低く言い放つ。

「制限時間は15分。もし満点をとれなかったら……お仕置き、だからね?」

「…っ…はい…」

"お仕置き" その言葉に過敏に反応し、美雪の体がピクリと揺れる。

「それじゃあ……。はい、スタート」

カチ、というタイマーのスイッチが押された音と共に美雪は震える手に力を込め、裏返しのプリントを表に返す。

一問目に目を通し、早速シャープペンを走らせる。

("お仕置き"だけは受けたくない…)

その一心で美雪は、問題一問一問を隅々まで読み、しっかりと間違いなく答えを解き出していく。
昨日遅くまで復習問題を勉強していたおかげで、思わずつまづいてしまいそうな難問もスラスラと問題なく進んだ。

…だが、お仕置きをしてやりたい気持ちでいっぱいの北川は簡単に全問正解されては面白くない。
ペースを乱してやろうと悪魔の手が美雪の体へ伸びる…。


「……っ?!」

不意に胸を撫でられ、美雪の体が強張る。

「どうしたの? 続けて」

優しい囁き声とは裏腹に北川の手は美雪の服の中へ侵入し、ブラの上からその膨らみを形を確かめるかのように緩く揉み始める。

「いや…っ! 止めて下さい!」

ブラのホックが外され、いよいよ美雪の顔に不安が浮かび上がってきた。

「…時間、過ぎちゃうよ?」

「……っ!」

残り時間は5分。問題はあと3問。
もたもたしている場合ではない。
 美雪は仕方なく再び問題に目を向ける。


どれも普通にやれば簡単に解ける問題だった。
しかし…解くことを北川は許してはくれない。

「…んっ…い、いや…っ」

美雪の敏感な乳首を北川は指の先で押したりつついたりして絶えず弄ぶ。

「これくらいで問題が解けなくなるなんて、集中力がない証拠だね」

「んあぁ!」

キュッと乳首を摘まれ、美雪は思わず甲高い声を上げて体をビクンと仰け反らせた。


──ピピピピピピッ…

そこで無情にもタイマーの音が鳴り響く。

残り3問が空白のまま…。

「……っ…」

胸の余韻を抑え、美雪は青ざめた表情で北川を見上げる。

「あーあ。お仕置き決定…だね?」

「…っ、ごめんなさい…! 今度はちゃんと全問解くからっ、お仕置きは…!!」

美雪は立ち上がって北川にすがりつく。

しかし美雪を見下す北川の顔からは意地悪に歪んだ笑みが離れない。

「駄目だよ。出来の悪い子にはしっかり罰を与えなきゃ」

冷たく吐き捨て、北川は持ってきた黒い鞄の中を何も言わずにあさり始めた。

「い…いやぁ…っ、"アレ"は嫌…っ」

「ん? …アレってなんのこと?」

「っ…ロ…、ローター…」

そう、美雪は前回のお仕置きで北川に散々ローターで遊ばれ、何度もイかされ最後には失禁までしてしまったのだ。

思い出すだけでも羞恥が湧き上がり、強力な振動で責められ続けていた秘部が逃げられない快楽に怯えて疼く。

「大丈夫だよ。今日は使わないから」
「…えっ?」

(使わないの…?)

それを聞いて美雪はホッと胸をなで下ろす。

だが、その気休めの安堵感は一瞬で砕かれた。
北川が取り出した物を目にした瞬間、美雪の頭の中は真っ白になり、予測出来ない恐怖が体全体へ走っていった。

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