01 02 03

 

「四つん這いになって…」

「ふに…っ」

後ろから耳元にそっと囁かれ、思わず背筋がゾクリとざわつく。

言われるままに私は畳の床に両手と両膝をついた。

──カチャ…

小さく空気を震わせた金属音に振り返ると、リョウが鞄から鎖の付いた真っ黒な首輪を取り出していた。

「…これでアヤは俺の可愛いペット」

ヒヤッとした感触が首を覆う。

もはや抵抗するという感情は麻痺してしまっていた。

今まで抑えてきた私の中のMな性質がどんどんどんどん溢れ出している気がする。

「暑いから縁側まで行こう」

クイッと鎖を引っ張られ、私は四つん這いのままリョウの後ろをついていく。

茶の間から廊下に出て、縁側に繋がる向かいの部屋へと移動する。

「…ん…っ、ちょっ、ちょっと、待って…!」

部屋に入ったところで私は声を荒げ、歩みを止めた。

脚を交互に動かすたびに中の異物が敏感な部分を擦り、欲望をかき立てるその刺激に耐えきれず、ガクガクと脚を震わせる。

「縁側までもう少しだよ?」

「…っ駄目…これ以上歩いたらおかしくなっちゃう…」

「しょうがない子だなぁ…」

…ヴヴヴ…ッ

「ひあっ?!」

ヴヴヴゥウウーーーッ

「やぁあああっ!!な、んでっ、あぁああ!」

突如、中に埋まった棒が激しくうねり始め私は何がなんだかわからないままその場にうずくまった。

「早く歩かないと、もっと強くしちゃうよ?」

「い、やっ、あ!あああっ」

強烈な快感に打ち震えながら見上げると、リョウは黒いリモコンのような物を掲げて涼しげに微笑んでいた。

「遠隔操作できるようになってるんだ、それ」

「やぁ…っ、く、るしいよリョウ…!あぅっ、…お願い、止めて…っ!」

「止めて欲しかったらちゃんと歩きな。それに、言葉遣いも元に戻ってるよ」

「ごっ…、ごめんにゃさ、い…っ」

這いつくばるかのように何とか歩みを再開すると、やっと振動がおさまり絶対的な快楽から解放された。

だけど今の刺激のせいで私の中は過剰なくらい敏感になってしまった。

ちょっとでも中が擦れるだけでゾクゾクとした痺れが押し寄せ、次から次へ高ぶった蜜が溢れて太ももを伝う。


「やっぱり、こっちに来ると涼しいね」

縁側までたどり着くと、リョウは腰を下ろし、空を見上げ目を閉じて吹き抜ける風を全身で受け止め気持ちよさそうに微笑んだ。

「よく頑張ったね」

「ふ、ぁ…っ」

頭を撫でられ、私も清々しい風を受けながらうっとりと目を細める。

「…凄い濡れてるね。下着に含みきらなくてこっちにまで溢れてきてる」

ツツツ…と太ももを指先がたどっていく。

くすぐったくて焦れったい。

無意識に腰が動く。すると、クスクスと穏やかな笑い声が聞こえきた。

「…イきたいの?」

「ふにゃ…」

「それじゃあ、俺のことも気持ち良くしてくれる…?」

そっと右手をとられ、リョウの股間へと運ばれる。

そこは固く張り詰め、ジーンズに圧迫され見るからに苦しそうだった。

私はジーンズに手をかけ、ファスナーを下ろし下着ごと一気に引き下ろした。

圧迫から解放されたリョウの自身はいつもより大きく見える。

…リョウもいつもより興奮してくれてるのかな…?

嬉しさを表すように裏筋を根本から舌先に力を込めて舐め上げる。

ペロペロと同じ所を舐めてると本当に猫になったような気分になってきた…。

十分に竿全体を唾液で湿らせてから先の方へと舌を這わせていく。

「っ…!」

カリ首の所を丁寧に舐めると、リョウから高ぶった吐息が漏れた。

その反応に私も欲情して、本能のままに熱く脈打つそれを口の奥までくわえ込む。

舌を絡ませながら唾液を潤滑油に、滑るようにリズミカルに頭を上下させる。

「気持ちいいよ、アヤ…」

リョウの細い指が髪に差し入って、クシャリと頭を撫でられる。

愛おしさに満たされて、私は夢中になって奉仕を続けた。

「ヤバ…。もうイきそうになってきた」

…ヴヴッ、

ヴィィイイイイイーーーッッ

「んふっ?!んっ、んんんうっ!!」

沈黙を続けていた私の中の異物が再び荒々しくうねりだす。

さっきよりも動きが激しい。最深部まで掻き乱され、私の淫情の限界を煽るように、乱暴にのた打ち回る。

「…口休めないで」

「んっ、んんぅ、ふ…っう…!」

静かに囁かれ、私は焼け付くような快楽に耐えながら必死に口を動かす。

少しでも気を抜けば、一気に淫欲に呑まれ腰が砕けて崩れ落ちてしまいそう…。

ギリギリに追い詰められた私は強欲にリョウのモノにむしゃぶりつく。

 

「…っ、一緒にイこう…アヤ…っ」

熱い吐息混じりの声と共に頭を撫でる指に力がこもる。

「んんんう゛っ、う、んっんん…っ!!」

みるみる欲望が上り詰め、そして頭の中が真っ白に弾ける。

壊れてしまいそうなくらいの快楽の波が押し寄せ、溺れ、私は悦びにガクガクと全身を震わせた。

「…っく…!」

リョウの下半身がドクンと波打ち、熱い体温が口の中に放たれる。

独特の苦味と香りが口いっぱいに広がっていく。

小刻みな痙攣がおさまってから、リョウの自身をゆるく吸い上げながら口を離し、放たれたリョウの欲をコクリと喉を鳴らして飲み込む。

「…出していいのに」

「だって…飲みたかったんだもん」

「…エッチな猫だなぁ」

火照った頬を優しく撫でられる。

冷たい手のひらの感触が凄く心地いい。


「おいで、アヤ」

両腕を広げるリョウの胸に飛び込む。

背中に両手がまわり、ギュッと強く抱きしめられる。

「…アヤは俺だけのペット」

クッと首輪から伸びた鎖を軽く引っ張られ、囁かな金属音が響く。

「今以上に淫乱な猫になるように、これからもっともっと可愛がってあげるからね…」

「…ん…リョウ…」

その囁きを最後に、激しい行為に酷く疲労した私は木々の間から射す暖かい夕日に即され、深い眠りに落ちた。

‐END‐

 


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