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「ぅあっ! きゃあッ!?」


掴まれた手を力いっぱい引かれて、私はベッドに倒れ込んだ。

状況を全然理解できなくて混乱してる私の上に跨り、宗太くんは私の両手をベッドにキツく押さえ込む。


「は…放して…っ」


絞り出した声はか細く震えていた。

…怖い。
突き刺さる冷たい視線が。
ギリギリと手首を締め付ける手が。
張り詰めた空気が。


私は今まで感じたことのない緊張感に呼吸もまともにできなくなって、ただ目の前の彼を見つめ返すことしかできなかった。


「根っから脳天気な女なんだな。なにが“心の底から幸せそう”だよ。バッカじゃねーの?」

「だって…っそれは本当に…!」

「黙れ」

「……っ!」


手首を締め付ける手にさらに力が加わる。

これ以上余計なことを言ったら宗太くんはためらいなく私に暴力をふるってくるだろう。

そう確信させるほどの気迫が彼の眼にギラギラと宿っていた。


「サッサとあの男に離婚するよう話してればこんな目に合わなくて済んだのにな」

「……っ!?」


手首から離れた手が腰にまで降りて、シャツの下に滑り込んだ。

そして素早くシャツをたくし上げられる。

ブラが剥き出しになったところで真っ白になっていた脳内がやっと危険を察知して警報を上げた。



「何…っやめて…!!」


身を起こそうとしたけれど途端に肩を掴まれてベッドに押し付けられた。

その手を引き剥がそうとしても、恐怖で震える体じゃ男の力には到底かなわない。


「今まで俺が何をされてきたか、教えてやるよ」

「っいや…!!」


力任せにブラを引き上げられて、呆気なく乳房が彼の前にさらけ出される。

冷え切った空気に包まれ、胸の奥が震え上がった。


「なんだ。思ってたより小さいんだな」

「やッ…! 見ないで…っ!!」


男になんて一度も見せたことのない自分の身体をまじまじと観察されて、血液が沸騰するほどの羞恥が込み上がる。

私は即座に手を振り払って両腕で胸を覆い隠した。

目元に熱い涙が浮かぶ。

ギュッと閉ざすと、不意に、彼の指先がにじんだ涙を撫でた。


「…怖い?」

「……っ」


その囁きに優しさが含まれているような気がして、私はそっと目を上げた。

けれど──、

わずかに芽生えた安堵感は一瞬にして砕かれてしまった。


「いゃ…ッあ!!」


暴力的な力で両腕を再びベッドにねじ伏せられる。


「俺もこんな風に無理やり犯されたんだよ」


酷く冷淡にそう呟いた彼の唇がゆっくりと震える胸元に降りていく。


「や…ぁ…、ッ!!」


冷気に熱を奪われた乳房に妬けるように熱い舌が触れる。

その瞬間、胸の内でぞわぞわっと得体の知れない感覚がざわめいて私は全身を強張らせた。

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